極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「今はちょっと、この体が忌まわしい……」

ミネラルウォーターをぐっと喉に流し込む。

火照った体が急速に冷やされて、耐え難い眠気に襲われる。

慰安旅行とは言うものの、体は疲れる。

長時間車に乗って、慣れない場所に赴いて、温泉だって体力を消耗する。

普通ならそれでも耐えられる。一晩寝れば回復するし、楽しい思い出をたくさん充電して、日常生活に戻れる。翌日からは元気に仕事へ行けるだろう。

だが、私の体は――。

「やっぱり、疲れているのかな……」

それでも旅行に来てみたかった。彼と――翔琉さんと一緒に。

ふらりと横になると、畳の上に転がったまま、深い眠りに落ちてしまった。



***



星空の見える露天風呂に浸かりながら、息をつく。

「いきなり混浴ってわけにはいかないよな」

もちろん、まったく考えなかったとは言わないが。

彼女に想いを伝え受け入れてもらった時点で、ありとあらゆる欲望は爆発していたが、彼女を怯えさせてはなるまいとぐっと耐えた。

この先についてもそうだ。想いを伝えてそのまま即ベッドイン――はあんまりだろう。

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