絶交ゲーム
その笑顔にホッと胸が軽くなるのを感じる。
ついさっきまでの心の重たさがスッと抜け落ちていく。


「今日さ、どうする?」


教室までの廊下を歩きながら詩子に聞かれて「どうするって?」と、聞き返した。


「ほら、昨日のゲームのこと」

「あぁ、あれかぁ……」


洋子と玲香の写真を投稿して、そのままになっている。


「別に、気にしなくていいんじゃない?」

「えぇ? なにもしないってこと? せっかくダウンロードしたのに」

「そうだけど……」


でも、具体的になにをどうすればいいかわからない。
ゲームからなにか指示が出るならわかりやすいのに。


「そう簡単に絶交なんてしないんだから、なにかしてみない?」


詩子の目がキラキラと輝いている。
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