絶交ゲーム
☆☆☆

あれだけ人気があれば誰だって勘違いをする。
自分は特別な人間なんだ。

自分はみんなとは違うんだ。
そう考えて、ハメを外してしまうときだってあるはずだ。

私はふたりの後をついて歩きながら期待に胸を膨らませていた。
サッカー部のファンの中にはすごく可愛い子もいたし、スタイルのいい子もいた。

普通の男子生徒だったら、ついつい、ついていってしまいそうな子たちだ。
そんな子たちを前にして完全に潔白でいられるとは思えなかった。


「今日もすごい人気だったな、お前」


浩二が豊の肩をつついて冷やかす。


「浩二だって同じだろ」


豊が笑いながらそれを受け流した。
ふたりの人気はほとんど同じくらいだった。

だからこそ、嫉妬し合うこともないのかもしれない。
私はふと玲香と洋子のことを思い出していた。

あのふたりは元々正反対で、異性からの人気も天と地ほどの差があった。
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