絶交ゲーム
それだけで見れば玲香が圧勝していたけれど、結果的に今は洋子の方がずっと立場が上になっている。
異性からの評価は、日頃の生活態度や成績優秀者には敵わないということなんだろうか。


「じゃ、またな」


十字路に差し掛かった時、浩二と豊が立ち止まって別々の道を歩き始めたので焦った。
ふたりは幼馴染だと聞いていたから、てっきり家も近いのだと思っていた。

でも、高校に入学してからどちらかが引っ越していたとしてもおかしくはない。
高校に入ってしまえば、もう学区は関係なくなるのだから。


「私は豊についていくから、詩子は浩二について行って? なにかあったらすぐに連絡してね」


私は早口に伝えると早足で豊の後を追いかけたのだった。
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