絶交ゲーム
まさか、浩二と豊はまだ絶交してないっていうの?
あれだけの事故が起こったのに、まだ友人同士でいるってこと?

そんなのありえない!
いや、でもあのふたりなら可能性があるのかもしれない。

グルグルと頭の中を考えが巡って混乱していく。
まだゲームが終わっていないのなら、通知もポイントも入ってこないのは当然だ。

でもこれ以上私はどうすれば……。


「もういいじゃん。諦めようと」


詩子の言葉に自分でも気が付かない内に目を吊り上げていた。


「諦める? このゲームを?」

「そうだよ。絶交なんてもうやめよう」

「本気で言ってんの? これがあれば勉強なんてしなくていいんだよ? 仕事だってしなくていい! ゲームだけしてればいくらでもお金が入ってくるんだよ!?」


叫ぶように言っていると体が熱くなってくる。
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