絶交ゲーム
重たい空気が私と詩子にのしかかってくる。
苦しい。

呼吸ができない。
今すぐここを出たい。
そう思うのに体が動かない。

詩子の真っ直ぐな視線に射すくめられて動けない。
そんな空気を破ったのは教室後方のドアが開く音だった。
入ってきた弥生と結の姿に私はふっと息を吐き出した。

弥生の後ろからはぞろぞろと仲間たちが入ってくる。


「雛と詩子か。ここでなにしてるの?」

「別になにも。話は終わったところだから、自由に使っていいよ」


詩子が咄嗟にそう返事をした。


「今日はなにするの?」


このメンバーを見ればこれから結への制裁が始まることは明らかだ。
私は気を取り直して興味を見せた。
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