絶交ゲーム
「それは……わからない。だって豊はあの場所にいなかったって言うんだ。真っ直ぐ帰って、俺を追いかけてはいないって」

「それを信じたの!?」


思わず声が大きくなってしまう。
豊の証言だけですべてを信用するなんて、あまりにもバカげている。


「豊は嘘はつかない。それに、俺はあの時声しか聞かなかった」

「それは、そうかもしれないけど!」


真っ直ぐが浩二に激しい苛立ちを感じる。
こんな風になにもかも受け入れているから、絶交できていないんだ。

普通だたったらあの場所に豊がいて、それが原因で事故が起きたと考えるはずだ。


「きっと、俺の聞き間違いだったんだと思う」


そんな……!
浩二が真っ直ぐでいればいるほど絶望的な状況になる。

浩二は少しも豊のことを疑っていはいないのだ。


豊がプリンを冷蔵庫にしまって戻ってきたタイミングで、
「明日は手術なんだ。そろそろ休憩してもいいかな?」
と、私達は病室を追い出されてしまったのだった。
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