絶交ゲーム
☆☆☆

生徒を職員室ではなく会議室へ呼び出すときには周囲の先生にも聞かせたくない事情があるときだけだ。
結イジメに加担していた私を含め5人の女子生徒たちは全員立たされ、結だけが先生の横に座ってうつむいていた。

その頬は赤く腫れてきている。


「頬は大丈夫?」


声をかけられて結は小さく頷いている。
まるで保護された捨て猫みたいだと内心思う。


「高校生にもなって恥ずかしいとは思わないんですか?」


それは私達へ向けられた言葉だった。
学年主任はメガネの奥でまた目を吊り上げている。

そんなに怒ってばかりだから、普段からツリ目になってしまったんだろう。


「あなたたち受験生でしょう? この時期が一番大切だってわからないの?」


大切だからこそ、誰か1人を犠牲にするんだ。
< 242 / 290 >

この作品をシェア

pagetop