環くんは、フォーク化現象に悩まされている
だけど……
エレベーターの中と言えば、逃げ場のない密室空間。
私の行動次第では、ド修羅場になってしまう可能性もあるのでは?
この女子に被害が及ぶのは絶対に避けたい。
段ボールの中で、静かにしていなくちゃ。
「エレベーター、やっと来たね」
「伏見先輩とご一緒できるなんて嬉しいなぁ。先輩、うちら2年女子にも大人気なんですよ~」
「それ、うそでしょ?」
「ほんとですよ~ 学園一優しい王子様は、間違いなく伏見先輩だよねって。遠くにいる伏見先輩を見つけたら、みんなハートを飛ばしちゃう感じで」
「王子様なんて言われると照れるけど、正直嬉しいな。みんなの期待を裏切らないように、これからも優しい僕でいないとね」
うっ、言えない。
ううっ、ガムテープで口がふさがっているから、言いたくても伝えられない。
伏見委員長の笑顔に、騙されちゃダメですよって。