環くんは、フォーク化現象に悩まされている
「3階まで早くこい。こんな危険なことは、一刻も早く片づけたいんだからな!」
いきなり段ボールが横に傾き、私の背中半分が5センチほど宙に浮く。
戻ったと同時に、ドンと背中に痛みが走った。
イライラが抑えきれない委員長が、段ボールを思いきり蹴ったらしい。
委員長のことを、怒りを知らない仏様だと思い込んでいた。
能天気だった自分に呆れてしまう。
懐かしい思い出が全て、悲しみ色に染まり切ってしまいそうで、悲しくなった時
「伏見先輩~」
遠くのほうから、可愛い声が聞こえてきた。
バタバタと、こっちに駆けてくる足音も響いている。
「エレベーター、一緒に乗せてくださ~い」
「もちろんいいよ」
伏見委員長が普段通りの穏やか声を発したことに、段ボールの中でホッとする。