環くんは、フォーク化現象に悩まされている


「この紙もらった時ね、目の前で破り捨ててやろうかと思ったんだよ。仁科さんと同棲してる男が、なんで私にこんなものをよこすんだって。千夜を傷つけんじゃねぇって、一発腹にパンチをかまそうかとも思ったんだけど……」


「……」


「ありがとうって、言われちゃって」


「えっ?」


「チョコちゃんの気持ちをわかってくれて、推し友になってくれて、本当にありがとうだって。誰にも取られたくなくて、俺が独占してたせいで、チョコちゃんには友達ができなかったって反省もしてて。ふつうさ、泣きそうな顔で感謝とか謝罪する? 自分のことじゃないんだよ?」


「チョコちゃんが何かあったら、すぐに連絡して。お願いだからって頭を下げたと思ったら、必死な顔で走って行っちゃった。それ見たらさ、信じてもいいのかなって思っちゃって。珠須島環のこと……」


環くん……なんでそんなことを?

私のことなんて、本当は心配してないんでしょ?

学園の生徒もだまして、自分は良い人だって信じ込ませて、私を誘拐しようとしているんだよね?



「だからもうすぐ、環くんが来ると思う」


「学園長にも助けてって伝えといた。パニックになるから、他の生徒には黙っててって言われたけど」
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