環くんは、フォーク化現象に悩まされている


私の腕に、拳が食い込む。

今まで味わったこともないくらいの激痛が、体中を走る。


吹っ飛ばされ、山道をゴロゴロ。

私は転がってしまい……

まぶたが閉じ……


それ以降の記憶は、私にはない。

目覚めたら私は、病院のベッドの上だった。

両親いわく、暴徒フォークハンターが駆けつけて、助けてくれたんだって。



過去の記憶から、現実に意識を戻した私。

フェンスに寄りかかったままの環くんが、頭上にハテナを浮かべながら私を見つめている。


「あの時さ、なんで俺を助けたの? 見ず知らずの俺なんか置いて、山を駆け下りればよかったのに。俺の前に出て。パンチ食らって」


「理由は覚えてないけど。嬉しかったんじゃないかな?」


「なにが?」


「私の卵焼き、おいしいって完食してくれたこと」

< 153 / 159 >

この作品をシェア

pagetop