環くんは、フォーク化現象に悩まされている
私の腕に、拳が食い込む。
今まで味わったこともないくらいの激痛が、体中を走る。
吹っ飛ばされ、山道をゴロゴロ。
私は転がってしまい……
まぶたが閉じ……
それ以降の記憶は、私にはない。
目覚めたら私は、病院のベッドの上だった。
両親いわく、暴徒フォークハンターが駆けつけて、助けてくれたんだって。
過去の記憶から、現実に意識を戻した私。
フェンスに寄りかかったままの環くんが、頭上にハテナを浮かべながら私を見つめている。
「あの時さ、なんで俺を助けたの? 見ず知らずの俺なんか置いて、山を駆け下りればよかったのに。俺の前に出て。パンチ食らって」
「理由は覚えてないけど。嬉しかったんじゃないかな?」
「なにが?」
「私の卵焼き、おいしいって完食してくれたこと」