環くんは、フォーク化現象に悩まされている
そっそそっ、そうですか……
気に入っていただけましたか……
私たちをガン見する、たくさんの瞳にも困りものだけど。
全身の五感が環くんに反応しすぎて、冷静さを保てないの自分もどうしたものかと。
私の手を離していただけたら、暴れている私の心臓も落ち着いてくれると思うのですが……
椅子ベッドの上で、気持ちよさそうに寝はじめた環くん。
手を引っこ抜いちゃうのは、かわいそうだよね。
私は手のひらに大好きなぬくもりを感じたまま、カウンター横の窓の外に視線をうつす。
そして「はぁぁぁ~」と、重い溜息を一つ。
この幸せはいつまで続くのかな?
環くんがいない未来。
想像しただけで淋しさに襲われるのは、環くんのことが好きという証拠なんだろうけど。