環くんは、フォーク化現象に悩まされている
額をさする環くん。
仁科さんに怒りを飛ばす姿が、私の知っているホノボノ王子様とは別人に見える。
こんなに怒鳴る人だったんだ。
「環が早く起きないからいけないんでしょ。ほら、今すぐ目を開ける! 立つ! で、行くわよ!」
「無理。チョコちゃんの手どこ? ほっぺすりすりで、お昼寝の続きをしたいんだけど」
「あっ、また椅子に倒れこんで。寝るんじゃない! せっかく私が起こしてやったのに」
「相変わらず、おせっかい」
「起きろ!」
「無理」
「環、スマホのメッセ見てないでしょ?」
「見るわけないじゃん。めんどいし」
「どこにあるの? ポケット?」
「バッグ。教室に忘れてきた」