環くんは、フォーク化現象に悩まされている

凛とした美女が目を吊り上げ、額の血管をブチ切りそうなこの状況。

私と伏見先輩は、圧にやられて言葉が出ない。


環くんって、メンタルが超合金でできているのかな?

こんな状況でも「安眠は大事~」とぼやきながら、猫みたいに背中を丸くして瞳を閉じている


強者……かと思いきや。

事態は急展開。


「あぁぁぁぁぁ!!」


環くんは、飛び跳ねジャンプで勢いよく立ち上がると


「今、瞳の残像の中に、壁の時計が映った! 信じられない! なんで? お弁当を食べる時間、とっくに過ぎてる!」


涙目ウルウルで、壁の時計を睨みだした。



「環、あんたね!」


「冴は黙ってて」


「なによ、それ」


「チョコちゃんの作ってくれたおかず、今日は何かな? 卵焼きは入ってるかなぁ? 俺好みの極甘なやつ」


さっきまで涙キラリだったのに、もう笑顔になっているし。

感情の転換が、マッハ過ぎなのでは?
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