環くんは、フォーク化現象に悩まされている

いくら読書中のみなさんが、カウンターから離れた場所に座っていたとはいえ

『何があった?』

ハテナを顔に張り付け、視線を本から私にうしている人ばかりだし。


みなさんの幸せな、物語没頭タイムを邪魔してしまいました。

図書委員なのに、ごめんなさい。

心からの謝罪を込め、図書室にいる全員に向かって私は頭をペコペコペコ。



「チョコちゃん、図書室はシーだよ」


ムッ。

誰のせいで、こんなことに!


こぶしをブンブン振りながら迫って、環くんに抗議しようかとも思ったけれど。


うっ、これは……

顔面キュート系・無気力王子のエンジェルスマイル。

破壊力が半端ないんですけど。


胸がときめいてしまったせいで、何も言えなくなってしまいました。



小ぶりで形のいい鼻に人差し指を当て、ウインクを煌めかせながらニコって。

しかも私だけに。



……かっ、、、カッコいい!


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