環くんは、フォーク化現象に悩まされている
環くんのゆるっと垂れる目じりがキュートすぎて、ついつい許しそうになったけれど……
これじゃ、流されまくるいつもの自分と一緒だ!
私は眼鏡をキリッと光らせ、目の前に立つ環くんにコソコソ声を浴びせる。
「環くん、図書室では抱き着かないで」
「なんで?」
「そういう場所じゃないから」
「そっかそっか、図書室の外ならいいんだ」
「えっ?」
環くんの目が、悪っぽく光りだしちゃいましたが……
「それなら、チョコちゃんを教室で抱きしめちゃおっと。お昼休みが終わって、教室戻った時にギューって」
ななな……何を言っちゃってるの?
付き合っているわけでもないのに。
やめてよ。
動揺しすぎて、私の2本の三つ編みがフルフルっと揺れちゃうんだから。