環くんは、フォーク化現象に悩まされている


右往左往する私の瞳に、『図書室』のプレートが映りこむ。


図書室には小部屋がある。

私と環くんが、お弁当を食べる時に使わせてもらっている休憩部屋。

中から鍵をかけることができるし、カーテンも閉められる。

そこしかない!



図書室の引き戸。

開ける時に、ザーッと音がしてしまうのが難点で。

今ドアを開けるは危険すぎだと、判断した私の脳。


どうすれば、どうすれば……あっ!

良いとこ発見!


廊下に置いてある『おすすめの本、紹介します』の手作り看板の後ろ。

小柄な私が隠れるには、十分な大きさだ。

看板の後ろで丸くなって……と。



タタタタタ。


二人分の足音が、下の階へ遠ざかっていった。

とりあえずは一安心だ。

今のうちに図書室の中へ。

環くんたちが三階に戻ってこないかドキドキしながら、ドアを開ける。


図書室の中を、ぐるりと確認してみた。

カウンターの中に座っているのは一人いるだけで、他に誰もいない。

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