環くんは、フォーク化現象に悩まされている
「来てくれたの?」
私を見つけ陽だまりみたいにほっこりと微笑んでくれたのは、図書委員長の伏見先輩だ。
「生徒会長に頼まれたお仕事があるのに、僕なんかのためにありがとう」
さらにユルっと微笑んだ委員長を見て、お願いされていたことを思い出したものの……
ごめんなさい。
写真を撮る余裕、今の私にはないんです。
頭の中がごちゃごちゃで。
罪悪感に似た気まずさもこみあげてきて。
私は二本の三つ編みを垂らしながら、視線を床に落とす。
「泣いてる? 千夜湖ちゃん、どうしたの?」
私が…泣いてる?
あっ……
慌て顔でカウンターから飛び出してきた委員長の言葉で、目から涙がこぼれていることに気づかされたけれど
「あの……えっと……」
嗚咽交じりの声とともに、涙がぶわっとあふれて止まらない。
私、誘拐されそうで……
環くんと仁科さんに追われていて……
助けて欲しくて……
こんなことを言っても、信じてもらえないよね?