【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜
オリアーナはクラスの男子生徒たちに囲まれて困惑していた。女子に囲まれることは慣れているが、異性に絡まれるのは慣れていない。
レイモンドの双子の姉が次期聖女に選ばれたと発表されたことで、学院内はその話で持ち切りだった。
(その姉さんなら目の前にいるんだけどな……)
苦笑するオリアーナ。
「ええっと……そうだな。姉さんは……はつらつとした人……かな」
「そうじゃなくてさ! 可愛い系? 美人系?」
「男女の双子だけど、瓜二つだってよく言われるよ」
「おおおっ! じゃー美人系だ! ぜひお会いしたい!」
興奮気味な男子生徒に圧倒され、一歩後退する。すると、さりげなくやって来てオリアーナの身体を後ろから引き剥がしすセナ。
「あ。セナは会ったことあるだろ? どっちだ? 可愛い系か美人系か」
「可愛い系」
セナが即答すると、男子生徒たちはおお、と歓声を上げた。何がそんなに楽しいのだろうか。