【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜


 魔力核の移植において、懸念事項だったのは、レイモンドの能力が衰える可能性だ。しかし、核を一つ失ってもなお、彼のずば抜けた能力は健在だった。むしろ、以前よりコントロールがしやすくなり技術が磨かれてすらいる。オリアーナは魔力核を得たが、レイモンド程の素質はなさそうだ。

「まだ先生から処遇の内容は来てないの?」
「うん。始祖五家と王家の地位に関わる問題だからね。下手に処断する訳にもいかないんだろう」
「まぁ、なるようにしかならないさ」
「うん。どんな処遇でも受ける覚悟はしているよ。ところで、もう少しでテストだけどちゃんと勉強してる? セナが勉強してるところ見たことがないけど」
「してるよ。最低限」
「最低限か。セナは勉強嫌いだからね」

 セナは苦笑した。最低限しかしていないと言いつつも、いつも上位にいる。元のセンスがいいのだろう。勉強の話は嫌だったのか、別の話題にすり替えられる。

「そういえば、最近東部の街に魔物が出たらしいね」
「ああ、かなり騒動になっていたね。ティレスタム公爵、戦闘で怪我したりしてない?」
「大丈夫。ピンピンしてる。……でも最近物騒だよな。先月から上級魔物の出現はもう四件目だ」
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