お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 幼い頃母を亡くし、父を失ったあとは、異母弟と王位継承争いを繰り広げた。そんな彼の生い立ちには同情するべき点も多々あるが、だからと言って今のような振る舞いが許されるとは思ってほしくない。

 グレゴールは不満を抱えているようではあるけれど、皇帝を迎えた昼食会は、おおむね成功に終わった。

 オリヴィアはできる限りグレゴールも会話に巻き込むようにし、皇帝もまたオリヴィアのその努力によく答えてくれた。

 長年帝国を治めてきた彼にとっては、きっとオリヴィアの努力を見抜くぐらい朝飯前。

 だが、そのオリヴィアの努力に気づいていたのは、皇帝だけだったらしい。肝心のグレゴールにはまったく伝わっていなかった。

「お前は、俺に恥をかかせるつもりか? 皇帝との会話は、お前がすべて主導していたじゃないか!」

 皇帝を送り出すなり癇(かん)癪(しゃく)を起したグレゴールは、オリヴィアの前で床を踏み鳴らした。とてもではないが、成人間近の男性がとるべき対応ではない。

(私……できる限りのことはしたつもりだったのに)

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