お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「エリサ、一応陛下と言った方がいいわ」

 エリサは不満そうではあるけれど、グレゴールが国王であることまでは否定できない。この部屋の周囲には、誰もいないはずだが用心はしておかねば。

「ダンメルス侯爵は、どう対応しているのかしら?」

「政治の面では、侯爵が中心となって上手にあの男を転がしているようです」

「あの男じゃなくて陛下、よ?」

「それと、侯爵は、あの女をあの……じゃなかった、陛下から引き離そうとしているようですね。今のところ失敗続きのようですが」

「まさか、王妃になろうとしているわけではないわよね?」

 オリヴィアを嫌っているグレゴールを篭絡(ろうらく)すれば、自分が王妃になれるとでも思っているのだろうか。そんな愚かな考えをする人間がいるとは思いたくないけれど。

「まあ……そのようなことも考えているようですね」

 エリサは死んだ魚のような目になった。信じたくないのだろう。オリヴィアとしても信じたくない。室内がしんと静まり返る。

「――もしかしたら、陛下にとって初恋なのかもしれないわね」

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