お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 それは、ルークからの手紙だった。この鳩は、彼の使い魔らしい。

 そこにあったのは、以前と変わらないルークの優しい言葉だった。オリヴィアを気遣い、不自由はないかとたずねている。さらに、オリヴィアの手助けをするという言葉も。

(……ルークが、使役魔術を身に付けているなんて、考えたこともなかった)

 使役魔術は、身に付ければ非常に有益な魔術である。

 だが、そもそも素養があるか否かで習得にかかる時間がかなり変わってくる。よほどの才能を持ち合わせている者でも、数年はかかるのが普通だという話で、ルークのように前線に立つ立場なら他の魔術を優先する方が多い。

 エーリッヒが使役魔術を学んだのは、半分は趣味である。学ぶべきことを学んでからならば、父も文句は言えなかった。

 肩に鳩を乗せたまま部屋に戻る。寝支度を調えていたマリカが、目を丸くした。

「オリヴィア様、その鳩は?」

「ルークの使い魔ですって。手紙を届けてくれたの」

「ルーク様が、どうなさったのですか?」

「いえ……なにか、つらいことはないかって。ルークの手が必要なら、私を助けてくれるって」

 困る。

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