お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 封じたはずだったのに。ルークへの気持ちは、封じ込めたはずだったのに。

 一通の手紙が、こんなにもオリヴィアを弱くしてしまう。滲んだ涙を、指の背でそっと払った。

「ありがとう、ルーク。でも、私は大丈夫。いえ、大丈夫でなければならないの」

 その様子を侍女ふたりが痛ましそうな目で見ているから、いたたまれなくなる。ごまかすみたいに、鳩の方に向き直った。

「あなたは、今夜はここにとまるのかしら。それとも、すぐにルークのところに戻るの?」

「クルル?」

 首を傾げている鳩は、「私に用はないですか?」と言っているみたいだ。

(……本当のことは書けないわね)

 きっと、今オリヴィアが置かれている状況を知れば、ルークはすぐにでも駆けつけてくるだろう。それは、ルークを破滅の道に引きずり込むことにしかならないから。

「鳩は、なにを食べるのかしら?」

「パンでも穀物でもなんでも食べます」

 エリサは一時使役魔術を身に付けようとしていたことがあったので、動物の生態には詳しい。

「だったら、私達の食事からパンを少しあげましょうか。ルークに返事を書くわ。明日まで休んだら返事を届けてね」
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