お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】

 鳩の背に、そっと指を滑らせる。小さな身体、ふわふわとした羽根の感触。

『まだ、嫁いだばかりでグレゴールとはあまり親しくできていない。でも、私は元気だから安心してほしい』

 という意味のことを、手紙に書く。それと、二度と手紙はよこさないでほしいということも。

(……未練がましいのはだめ)

 ゆっくりとひと晩休んだ鳩は、手紙の筒を足につけ、夜明けの空に姿を消した。 



 * * *



 鳩がルークの部屋の窓から飛び込んできた。

「よしよし、疲れたな……少し休め」

 鳴き声をあげた鳩は、部屋の隅に用意されている鳥籠の中に自ら入っていった。ルークは籠の隙間から手を入れて、鳩の頭を撫ででやる。

(少し、痩せていたな……)

 いくら何でも腕を上げるのが速すぎる。おかしい、とエーリッヒに言われながらも、使い魔と感覚の共有をするところまでたどり着いた。

 久しぶりに見たオリヴィアは、少しやつれているようにも見えた。侍女達以外味方のいない王宮で、彼女はどれだけ苦労しているのだろう。

(ヴェロニカとか言ったか)

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