お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 ストラナ王国に赴いた家臣達から、あの国の実情は聞いている。派手な女性を側に置き、オリヴィアには見向きもしないのだそうだ。

 自分がどれだけ素晴らしい女性を迎えたのか、グレゴールはまったく気づいていない。

「殿下、お目覚めですか?」

「……ああ」

 侍従がルークを呼びに来る。

 ルークは今起きたばかりという態度を装って、侍従を中に招き入れた。

 朝の身支度を調えながら、懸命に頭を巡らせる。

(……来年の魔獣討伐が楽になるよう、考えた作戦は父上に提出済みだ。他に俺にできることは――)

 なんとしても、手柄を上げなくては。

 オリヴィアを取り戻すためには、今のままでは足りないものが多すぎる。

「北の海賊討伐は苦戦していたな?」

「さようでございます」

「父上がお帰りになる前に、俺が討伐に行こうと思う」

 魔獣だけではない。海賊に苦しめられている人も多い。

 まずは海賊に苦しめられている民の手助けをし、耳を傾け――その間に、魔術の訓練もしなくては。使い魔との絆はもっと強くしておきたい。

「殿下、いいお顔をなさっておいでですね」

「いい顔?」

< 138 / 306 >

この作品をシェア

pagetop