お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 困るのは、オリヴィアもまんざらではないと思ってしまうこと。

 腕に触れるルークの体温。ここまで接近すれば、彼の鼓動まで聞こえてしまいそうだ。

「冗談ではない。オリヴィアのご両親に、求婚の許可はいただいたから、こうして求婚している」

「――嘘でしょう?」

 思わず声をあげれば、今度は頭の上から満足そうな笑い声が降ってきた。こういう時、ルークとの身長差を実感させられる。オリヴィアだって、そこまで小柄というわけでもないのに。

「オリヴィアの立場は、十分わかっている。俺が、なんの勝算もないのに求婚するとでも?」

「そうだわ、あなたってそういう人だったわ――」

 オリヴィアの三歳上の幼馴染。

 大陸中の英知が集まると言われているアードラム帝国の首都で学んでいるだけあって、彼は優秀だった。豊富な知識に、その知識を生かすための思考力。武芸にも秀でていて、夏恒例の魔獣討伐では毎回大活躍だった。

 彼の立てた作戦が、状況を変えたことも一度や二度ではない。

 そんな彼が、勝算もなく求婚してくるはずなかった。ちゃんと外堀は埋めてから来たということだ。

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