お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「返事は、少し待ってもらえる?」

 嬉しいくせに、オリヴィアの口から吐き出されたのは、そんなつれない言葉。

「なぜ?」

「あなたを信じていないわけではないけれど、勝手に返事はできないでしょう? でも、これだけは先に言わせて。あなたが求婚してくれて嬉しいの」

 今までは、オリヴィアから、好意を告げることなんてできなかった。でも、今なら許される。

 少し、軽率な気もしたけれど。彼から求婚されて幸せなのだと――それだけは、先に伝えてもいいのではないかと思った。

 ルークの顔がぱっと明るくなった。

 普段は年齢よりも大人びて見えるのに、今ばかりは年相応に見える。

 きっと、彼のこんな顔を見ることができるのはオリヴィアだけ。そう思ったら、くすぐったく感じられた。

「君を愛している!」

 抱きしめられて、背中に力強い腕が回される。額に彼の唇が触れるのを、オリヴィアはうっとりと目を閉じて受け入れた。

 

 ルークから求婚されたと聞くと、両親も兄も弟も喜んでくれた。

「あいつ、ずっと前からオリヴィアのことが好きだったからな」

 と、兄のエーリッヒ。

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