お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「待ってください、危険ですっ!」

 オリヴィアは、マリカが止めるのも聞かず、その家の扉を叩いた。中から返事が聞こえてきて、扉が細く開かれる。

「病人ですか? 怪我人ですか?」

「いえ、どちらでもないわ。あなたの家の周囲に生えている草について教えて」

 オリヴィアがそう言うと、相手は目を見開いた。扉を閉じようとするのを、マリカがすばやく足を挟みこむ。

「えいっ!」

 タイミングを合わせてエリサが扉を押し、相手を追いやることに成功した。

 あとはそのまま中に入り込むだけ。するりと三人入ったら、後ろ手にドアを閉じてしまう。

「あっ……どうか、見逃してください。あの草がなければ……」

 家の主は、四十代と思われる男性だった。苦労しているのか、身体に肉はほとんどついておらず、肩は薄い。

「あれは、レムラ草でしょう? 人の手で栽培はできないはずだけれど」

 レムラ草は、非常に強い効能を持つ薬草だ。

 怪我の回復に非常に大きな効能を持っているのだが、最大の特徴は、他の薬効を持つ薬草と一緒にした時、効能を何倍にもする力があるというところである。

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