お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 この国は、少しずつ衰退に向かっているようだ――グレゴールが王になった時から少しずつ。気づいていなかった。表通りはいつもと変わらない様に見えていたから。

「この国はだめね。動くことにするわ」

 三年、我慢した。二年も子がなければ、王族としては結婚の解消もできる。それでも、もう一年待った。彼との仲を改善しようとして。

「オリヴィア様は、十分我慢なさいましたよ」

 と、エリサが同意する。

「あの男を殺らずに今まで耐えたのです。オリヴィア様は我慢強いお方ですとも」

 なにかあるとグレゴールの暗殺を持ちかけてきたマリカも、オリヴィアがこの国を出ることには賛成してくれているようだ。

「その前に――あら?」

 働くことのできなそうな人に金銭を分け与えながら歩いていたら、目の前に小さな家が見えた。この通りには珍しく、きちんと手入れされている。

 オリヴィアが目をとめたのは、庭というか家の周囲に植えられている草であった。この草は、人の手で栽培することはできないはずなのに。

 ――もしかしたら。

 これが突破口になってくれるかも。

「あの家をたずねるわ」

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