お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「ルーク様ならいいですね! 以前からオリヴィア様に夢中でしたし!」

 落ち着いているマリカとは対照的に、エリサは元気いっぱいだ。この無邪気な様子が、ハニートラップに最適らしい。そのあたりの機微は、オリヴィアにはよくわからないのだが。

「そ、そうなの……?」

「ええ。必要でしたら、ルーク様をたぶらかす術、きっちり伝授させていただきますよ?」

「そ、それは必要ない……かしら……」

 オリヴィアからすると不思議なのは、エリサは絶世の美女というわけではないところだ。

 明るい茶色の髪に、ぱっちりとした緑色の目。率直に言ってしまえば、美女ではない。可愛いというより、感じがいいという方が近いか。

 そんなエリサだが、実際、男性を手玉に取るのは非常に巧みなのだ。

 彼女の『異性をたぶらかす術』を伝授してもらったら、きっと役に立つのだろう。立つのであろうことはわかるけれど、オリヴィアにできるとも思えない。

「まあ、必要ないでしょうけどねー。ルーク様は今でもオリヴィア様にメロメロですもの」

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