お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「そうみたいね」

 抱き留められたルークの身体は、あの頃よりもずっと逞(たくま)しかった。跳ね上がる鼓動、忙しなくなる呼吸。

 口を開いたら、想いが溢れてしまいそうで、それ以上言葉を続けることができなかった。

「オリヴィアが俺を心配してくれているのはわかっている。だけど、俺もいつまでも子供じゃない――迎えに来られるだけの力をつけたんだ」

「ルーク――でも」

「オリヴィアだって、わかってるんだろう? このままでは、この国はだめになる」

「……ええ」

 ダンメルス侯爵が必死に支えてはいるが、国のトップにいるのがグレゴールである。近頃は、聖女という触れ込みのケイトを重用し始めている。

 その結果、国内がどれだけ荒れているのか見向きもせずに。

「正直なところ、この国がどうなろうが関係ないと俺は思っている。他国のことだし、俺が口を挟むのは違う――だが、オリヴィアが関わっているとなると話は別だ」

「私も、この国を離れるつもりではいるの。でも、今ここで離れてしまったら――」

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