お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 グレゴールに愛を向けたことなど一度もない。オリヴィアをお飾りの王妃にしてきたこの国の貴族達もどうでもいい。

 ――でも、見てしまった。

 ろくな治療も受けることができずに、動けなくなってしまった人を。最後の救いを求めて、トリッドの診療所を訪れる人たちを。

 オリヴィア個人でできることには、限りがある――ならば。

「私は、この国から去るべきだわ。でも――」

「その前に、この国を壊す必要がある。そうだろう?」

 ルークは、オリヴィアのやりたいことをわかってくれている。それはありがたいけれど。

「でも、問題があるの。グレゴールを引きずりおろしたところで、誰を王位につけるべきなの?」

「グレゴールには弟がいるじゃないか。彼を王位につければいい」

 なんてことないようにルークは口にする。けれど、オリヴィアはまだ迷っていた。

「でも、彼がグレゴールと同じような過ちを犯したとしたら?」

「オリヴィアは、シェルト王子に会ったことはあるのか?」

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