お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 神官もある程度年齢を重ねれば引退が認められている。引退後に贅沢三昧な生活をしていたとしても、神殿とは直接かかわりはないから文句はつけられないというわけだ。

「ケイトは?」

「あいつの欲は、名誉に傾いている気がする。『王国を守る聖女』の肩書が欲しいんだろうな。王宮に引っ込んでいて、何を守っているかは知らないが」

 グレゴールは様々な品をケイトに貢いでいるようだ。ケイトはそれをありがたく受け取って入るけれど、過分と判断したものについては神殿に寄付しているという。

「そうね。彼女のいる場所は王宮ではなくてここだと思うわ」

 優秀な回復魔術の使い手は、いくらいてもかまわない。いや、兵士達の命を繋ぐためには何人いても足りないのだ。

 だが、ケイトは王宮でグレゴールの側にいることを望んだ。彼女が、魔獣討伐の場に姿を見せたことは一度もない。

(王宮で貴族だけを相手にしているのに、聖女だなんてね)

 たしかに彼女の回復魔術はすごい。魔獣を退けることだってできる。だが、弱い者を置き去りにする彼女を聖女とは呼びたくない。

「……そろそろ、行った方がよさそうね」

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