お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「――オリヴィア。どうした?」
城壁の上に毛布を持ち出し、それにくるまって下を見下ろしていたら、ルークがやってきた。
「別に、どうもしないわ。ただ、もっと――もっと、力をつけるべきだと思って。毎回、戦いが終わったあとは同じことを思うけれど」
「オリヴィアのおかげで、助かった者も多いんだ」
「ええ、そうね。それもわかっているわ。でも、もう少し私の腕が長かったらよかったのに」
オリヴィアの回復魔術で助けられるのは、軽症者だけ。
今まで、魔術による攻撃の方が重視されていたし、回復魔術を極めるのには長い年月がかかる。
もともと得意だった火の魔術を極めた方がいいのではないかとそちらに重点を置いて修行してきたのだが、もう少しやりようがあるのではないかという気もしてくる。
「このところ、回復魔術が使える人が減っているでしょう? もっと、重傷まで治せるようになった方がいいのではないかと思っているの。あなたと結婚したら、きっとその方が役に立つだろうし」
「回復魔術は、魔力の制御を学ぶだけじゃだめだ。人体そのものについても詳しくなければ」
城壁の上に毛布を持ち出し、それにくるまって下を見下ろしていたら、ルークがやってきた。
「別に、どうもしないわ。ただ、もっと――もっと、力をつけるべきだと思って。毎回、戦いが終わったあとは同じことを思うけれど」
「オリヴィアのおかげで、助かった者も多いんだ」
「ええ、そうね。それもわかっているわ。でも、もう少し私の腕が長かったらよかったのに」
オリヴィアの回復魔術で助けられるのは、軽症者だけ。
今まで、魔術による攻撃の方が重視されていたし、回復魔術を極めるのには長い年月がかかる。
もともと得意だった火の魔術を極めた方がいいのではないかとそちらに重点を置いて修行してきたのだが、もう少しやりようがあるのではないかという気もしてくる。
「このところ、回復魔術が使える人が減っているでしょう? もっと、重傷まで治せるようになった方がいいのではないかと思っているの。あなたと結婚したら、きっとその方が役に立つだろうし」
「回復魔術は、魔力の制御を学ぶだけじゃだめだ。人体そのものについても詳しくなければ」