お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 届けられた手紙はすべて、この国の貴族達からのものだった。

 魔獣が大量に発生し、対応に苦慮している。助けてほしい、というもの。

 オリヴィアへの依頼ではあるが、オリヴィアの背後にいるウェーゼルク辺境伯家を当てにしてのもの。オリヴィアが実家に助けを求めることを期待しているのだろう。

「お望みどおりにするのですか?」

「……するわけないでしょ。そろそろ頃合いだわ」

 オリヴィアの呼び出しに応じてやってきたダンメルス侯爵は、すっかり疲れ果てているみたいだった。通常の業務に追加して、シェルトの教育も彼自身行っているのだ。過重労働なのは間違いない。

 ダンメルス侯爵によれば、シェルトはもう一人前になったと言ってもいいらしい――となれば。そろそろシェルトにも動いてもらう時期だ。

「シェルト殿下に、外に出てもらいましょう」

「しかし、オリヴィア様。シェルト殿下は幽閉されておりますが……」

 ダンメルス侯爵との付き合いもかなり長くなった。この国を離れると決めてから、彼にも王妃陛下と呼ぶのはやめてもらっている。

< 211 / 306 >

この作品をシェア

pagetop