お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「ねえ、マリカ。いつか、僕もいつかなれるかな?」

「なににですか?」

「ルーク様ぐらい強くてかっこいい人に」

「あー……、それは」

 たぶん、ルークも特別なのだ。オリヴィアの愛した相手だから、というだけではなく。

「マリカは正直者だね」

「精進いたします……」

 たしかに、シェルトは鋭いけれど、こんな小さな少年に内心を悟られてしまうとは失格である。

「殿下も、強くて格好いい大人になれると思いますよ。今のお気持ちを忘れることがなければ」

「忘れないようにするね」

 だから、つい応援したくなる。

 ――シェルトが、ルークとオリヴィアを応援していると知ってしまった今はなおさら。

 

 * * *

 

 オリヴィアが魔獣討伐の場に到着したのは、シェルトの護衛についたマリカが出発して二日後のことだった。

「シェルト殿下! 薬を持ってまいりました」

「オリヴィアお義姉様! 来てくださってありがとうございます」

 にこにことしているシェルトの様子を確認する。大丈夫、怪我をしている様子はない。睡眠もきちんととれているようだし、食事も問題なさそうだ。

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