お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「オリヴィアお義姉様が王宮を出るのは大変だったのではないですか?」

「そこは、ダンメルス侯爵が上手に対応してくださいましたよ」

 ダンメルス侯爵が、グレゴールにどう説明したのかオリヴィアにはわからない。けれど、オリヴィアが離宮を離れ、魔獣討伐の場に薬を運搬する許可は出してくれた。

(王妃としての仕事だ、とでも言ったのでしょうね)

 このところ、公の場にオリヴィアを伴わないことで、一部の貴族からはちくちくと言われているらしい。それを沈めるためとかなんとか言いくるめたのだろう。

 最初にグレゴール側についたのは失敗ではあると思うが、それはそれ、これはこれである。

「オリヴィア王妃陛下が、薬を届けてくださったよ! 順番に並んで、重傷者から渡せるように、手分けして運んで!」

 シェルトが声を張りあげる。兵士達の間から、歓声があがる。「あれは、ヴィーじゃないか?」とオリヴィアの偽名を口にしている者もいる。いい兆候だ。

「お義姉様が、そんなことまでなさる必要はないのに」

「これも、必要なことですから」

 オリヴィアが薬を配布する一団に加わると、シェルトが声をかけてきた。

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