お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 シェルトの言葉に、並んで薬を手渡していたオリヴィアは、思わず彼に目を向ける。視線が合うと、シェルトはにっこりと微笑んできた。

(わかってて、やってるってことね……!)

 シェルトは、オリヴィアの功績をわざわざ口にすることで、オリヴィアに対する好意的な目を育てようとしているのだ。彼の年齢でオリヴィア達のやろうとしていることをここまで完璧に理解しているなんて、頼もしい限りである。

「シェルト殿下も、頑張って戦場に立ってくださっているんです。皆で力を合わせて、魔獣を追い払いましょうね」

「はいっ!」

 シェルトがにっこりと笑う。

 このままいけば、彼にこの国を任せることができそうだ。

 薬を配り終わり、自分用の天幕へと戻ろうとしていたら、ルークが来ているのが見えた。

「あなた、こんなにしょっちゅうこちらの国に来ていて大丈夫なの?」

「問題ない。父の許可は得ているしな」

「……そう」

 ルークと会えたのは嬉しい。直接言葉を交わすことができるのも。

 離宮にいる時は、オリヴィアの心はひび割れてしまっている。

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