お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 ルークは強い。それはわかっている。わかっているけれど、願わずにはいられなかった。

(どうか、無事に戻ってきて)

 その願いは、誰が叶えてくれるのだろう。

 

 * * *

 

 グレゴールは、今が人生の絶頂だと思っている。側にいるのは愛するケイト。面倒な魔獣討伐は、異母弟が引き受けてくれている。いけすかない妻も、治療を手伝うと言って出かけて行った。

(ダンメルス侯爵は、魔獣討伐の場で命を落とすこともあると言っていたが――)

 ダンメルス侯爵が、グレゴールのもとをこっそり訪れたのは、とある日の深夜になってからだった。

 このところ、魔獣の動きが活発になっているため、軍を出す必要があるのだと彼は説明した。兵士達の士気を高めるため、王族が参加する必要があるのだとも付け加えられた。

「それは、俺が行かなければならないのか?」

 グレゴールは、まだ、魔獣討伐に赴いたことはなかった。イリアーヌ王国にアードラム帝国。両国が魔獣討伐を行う時期に、ストラナ王国も魔獣討伐を行っていた。

 だが、イリアーヌ王国とアードラム帝国の兵士達だけで十分な活動が行われているのだ。

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