お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 魔獣討伐の面倒な部分はシェルトに任せてしまい、使い道がなくなったら暗殺するつもりなのだろう。まったくできた男である。

 グレゴールが即位したばかりの頃は、まだ力を持っていなかった。先代王妃とシェルト、双方を処刑するつもりだったのだが、貴族達の反対で断念せざるをえなかったのだ。

 もし、魔獣討伐で殉じるのであれば、それはそれでいいだろう。グレゴールの手を汚さずに、あの時願っていたことを果たせるのだから。

「だが、子供だぞ?」

 一応、ダンメルス侯爵の前では、そう渋ってみせる。ダンメルス侯爵は、グレゴールの意図を正しくくみ取るであろうことを期待しながら。

「心得ております」

 丁寧に頭を下げる侯爵の様子に、自分の意図が正しく伝わったことを知った。

 

 ダンメルス侯爵が辞去したあと、グレゴールは寝室に戻った。

「グレゴール様、私、戦の場になんて行きたくないわ」

 ケイトが、グレゴールにしなだれかかる。グレゴールより二歳年上なのだが、いつまでも愛らしさを失わない女性だ。

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