お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 あの生意気なオリヴィアと違って、グレゴールを立てることも忘れていない。ケイトと知り合うことができて、本当によかった。

「もちろん、行く必要なんてないさ」

 ケイトの手にあるのは、聖女の救援を求める手紙。戦の場に出れば、怪我をするのなんて当然なのに、なぜ、ケイトの手を借りられると思っているのだろう。

「戦場は危険だし、汚い。ケイトの手を汚す必要はない――ここにだって、ケイトの治療を必要とする者はたくさんいるのだからな」

 近頃神殿では、回復魔術を施術するのに多額の寄付金の支払いを求めるようになったそうだ。それもしかたのないことだ。

 ケイトの美しい身体を飾るのには、最上級の布と最上級の宝石がふさわしい。聖女としての品位も、そうして支えることができる。

「……でも、近頃オリヴィア様のことを『聖女』なんて言う人もいるのよ? 私が聖女なのにおかしいわ」

 唇を尖らせる様も、愛らしいと思ってしまうのだからしかたのないものだ。

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