お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
(それにしても、先にこちらを訪れるとは思っていなかったわね)

 了承すると返事したけれど、手紙には詳細なことが書かれていなかったからなにを話すつもりなのか気になってしかたない。

(事前に打ち合わせをしようということかしらね)

 結局、そう結論付けるにとどまった。情報がないのに、想像ばかり膨らませても意味はない。



 皇太子との面会に選んだのは、きりっと見えるように、紺を基調としたドレスを選んだ。宝飾品は、必要最低限ながら上質のもの。

 ルークが口をきいてくれたとはいえ、帝国の皇太子を迎えるのだ。粗相はできない。

 皇太子とオリヴィアとダンメルス侯爵。この三人の間で、認識に齟齬(そご)があってはならない。これからの会談は、重要になるはずだ。

(まずは、皇太子殿下との対話よね。がっかりさせてしまわなければいいのだけれど……)

 すっかりおとなしくなってしまった侍女長も、若い侍女達の尻を叩いて働かせ、離宮は改めてピカピカに磨き上げられている。

 客人を迎える用意は完璧なはずだ。

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