お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 茶器にも気を使い、最高級のものが用意されている。離宮に仕える菓子職人も、何種類もの菓子を焼き上げた。

 オリヴィアが冷遇されているのを、皇太子には見せたくないようだ。

「どう取り繕ったところで、私が冷遇されているというのは否定できないのに」

「それはそれ、これはこれですよ、オリヴィア様! 皇太子殿下には、最高のおもてなしをしたいんです」

 通りすがりに、萎れた花を持ったエリサが返事をする。花瓶の花を取り換えてきたのだろう。

 独り言に返事をされて、赤面した。

 皇帝はルークと似ていると結婚を祝いに来てくれた時に思ったけれど。皇太子はどうだろうか。なんの役にも立たない考えが、ぐるぐると頭の中をめぐる。

 オリヴィアはそわそわし、使用人達はバタバタしている間に、あっという間に約束の時間が迫ろうとしていた。

 オリヴィアは客人を招き入れるべく、玄関ホールに赴く。離宮の前で、皇太子を歓迎する姿を見せた方がいいと判断したからだ。

 けれど、外に通じる扉に手がかかりそうというところで、扉が外から開かれた。

「……え?」

 思わず漏れた。嘘、ではないだろうか。

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