お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 そこにいたのは、連絡もよこさなかったルークだった。皇太子とのつながりを作ってくれた彼から連絡がないのはどうしたことだろうと思っていたけれど。

「……ルーク」

 彼の名を口にするのが精一杯。いろいろ言いたいことはあったはずなのに、全部消し飛んだ。

 やっと会うことができた。最後に別れてから、まだひと月とたっていないというのに、こんなにも彼が恋しかったのだと思い知らされる。

「あの……皇太子殿下は?」

 感動で胸がいっぱいになっているところだったけれど、先に皇太子に挨拶をしなければ。だが、ルークはそのまま後ろ手に扉を閉じてしまった。

「どういうこと? 皇太子殿下はいらっしゃらないの?」

 ルークに会えた喜びよりも、不安の方が大きくなる。つい、言葉を重ねたら、ルークは笑った。

「オリヴィア、君にしては珍しいな。俺のこの服を見ても気づかないのか?」

「あなたの、服……?」

 言われて、ルークの服に目をやる。白を基調にした盛装。白い服が、彼をより精悍に見せていた。

< 247 / 306 >

この作品をシェア

pagetop