お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 決まった時期しか会えない幼馴染。それでも、少しずつ、気持ちは育っていった。

「でも、あなたとは婚約の話まで出ていたのに、あなたが皇帝一族だなんて聞いていなかったわ」

「……それは、俺が正式に決まるまで内密にしておいてくれと頼んでいたからだ。圧力をかけるような真似はしたくなかった」

 帝国からオリヴィアをよこせと言われれば、王国はそれを拒否できない。

 だからこそルークは、オリヴィアにはなにも告げなかった。

「王家に正式に話を通す前に、オリヴィアには説明をするつもりだった。話があると言っただろう?」

「そうね。言っていたわ」

 忘れもしない。あの時、ルークとふたり、城壁に並んで座って夕日を眺めていた。

 そこに王家からの使者がやってきて――もし、あの時。

 ルークが皇太子だと知っていたら、ふたりの道は、分かれることはなかっただろうか。

「別れの時も言ってくれなかった」

「オリヴィアは自分のことは忘れろと言っただろう? ただのルークにだって、会いに来るなとか手紙をよこすなと言っていたのに。皇太子だと知ったら、手紙すら受け取らないだろうと思ったんだ」

「それはっ」
< 252 / 306 >

この作品をシェア

pagetop