お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 オリヴィアは、半眼でルークを睨みつけた。

 いくらなんでも、その冗談はひどい。使役魔術を身に着けるのにどれだけ苦労するのか、兄を間近で見ていたから知っている。

「冗談じゃない。エーリッヒに教わった。あいつも、俺がとんでもない速度で身に着けていくのに驚いていたぞ」

「お兄様が?」

 オリヴィアは不得意なのだが、エーリッヒは使役魔術が一番得意だ。

 契約している使い魔達と感覚を共有することもできる。

 ウェーゼルク辺境伯家が、魔獣討伐の際に被害が最小ですむのは、エーリッヒが空から状況を確認し、的確な判断ができるからだ。

「使い魔と契約し、いうことを聞かせるだけじゃない。感覚の共有もできるようになった。オリヴィアを見て、声を聞いて――助けを求められたら、いつでも助けられるようにしていたつもりだ」

「――嘘でしょう!」

 思わず立ち上がって叫ぶ。

 使い魔と感覚の共有って、普通なら十年以上の修業が必要なのに。どれだけ使役魔術の才能に溢れているというのだ。

「嘘、それじゃ……」

 だけど、みるみる顔が赤くなってしまう。

 ルークは、使い魔と感覚の共有をしていた。

< 254 / 306 >

この作品をシェア

pagetop