お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 薔薇(ばら)の花弁を伏せたかのように、スカートは優雅な襞(ひだ)を幾重にも描いている。ところどころに襟元と同じ黒いレースが飾られているのが、心憎い演出だ。

 髪は結い上げ、そこに飾るのは黄金の髪飾り。ずっしりとしたティアラは、オリヴィアが『王妃』である証。

 身に着けるのは、黄金の台座に、ダイヤモンドとガーネットをあしらった一揃いの装身具。耳飾りも首飾りも腕輪も、最高級品質の宝石で飾られている。

 この一揃いで、オリヴィアに与えられている王妃の予算一年分だ。おそらく、会場内で一番高価な品を身に着けているのはオリヴィアだろう。

「オリヴィア――その宝石は」

「いただきものです。せっかくですから、今日、お披露目しようかと」

 オリヴィアの宝石から目が離せない様子のグレゴールに向かって、またもやにっこり。グレゴールだって、これほどの宝飾品は持っていないに違いない。

 これまたダミオンを通じてルークが贈ってきた品である。最高の戦闘服に最高の防具。攻撃に使う剣は、オリヴィアの舌があればいい。

「さあ、陛下。参りましょう」

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