お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 きっと、今のオリヴィアは最高に美しい微笑みを浮かべている。

(ここまで、ずいぶん遠回りしてしまったわね)

 ルークへの気持ちを、封じてしまおうと思った五年前。

 なんとかグレゴールとうまくやっていこうとし、裏切られ続けた三年間。

 ルークと再会し、シェルトと出会い――グレゴールを捨てると決めてこの二年、できる限りの努力は続けてきた。

 これで最後だと思うと、どうしても気分が高揚してくる。

「……ああ」

 そんなオリヴィアをどこかいぶかしがっているような表情をしながらも、グレゴールはめんどくさそうな様子を崩さず、オリヴィアに腕を差し出した。

「国王陛下、王妃陛下、ご入場でございます」

 侍従が、国王夫妻の到着を声高に告げる。奏でられていた音楽が、国王の威厳を表現するものへと変化した。

 オリヴィアは視線を痛いほどに感じながら、グレゴールに連れられてゆっくりと歩む。

(そう言えば、公の場に出るのは久しぶりだったわね)

 ちらりと目を向ければ、オリヴィアに魔獣討伐を依頼してきた貴族達もいる。彼らもまた、オリヴィアに目を奪われているようであった。

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